タントラ (Tantra) とは?意味・語源 | サンスクリット用語辞典
Sep 15, 2026タントラ (Tantra) は、6世紀頃にインドで生まれた哲学と精神的実践の体系を指すサンスクリット語です。
宇宙のエネルギーを方向づけ、扱うことを通して、解放 (モクシャ) へ至る道とされています。
ヨガの中でこの考え方を取り入れた流れは、タントラ・ヨガと呼ばれます。
タントラの語源
- tan (タン)織る・組み立てる
タントラの意味
「織る」を意味する語源と聖典
タントラという言葉は、「織る」「組み立てる」を意味するサンスクリット語の語源 tan (タン) に由来します。
もともとは、神と女神の対話という形で示されることが多い、ある種の聖典 (経典) を指す言葉でした。
これらの経典には密教的な儀式や実践が説かれており、その中にはヨガをタントラ的に解釈したタントラ・ヨガも含まれています。
師から弟子への伝授と広がり
教えは通常、師 (グル) から弟子へと直接伝えられ、精神的な変容や、時には超自然的な力さえもたらすと考えられてきました。
一般には、秘教的なヒンドゥー教と仏教 (密教) の伝統がともに育んできたものとして理解されていますが、道教や神道、ジャイナ教、チベットのボン教など、東洋のさまざまな宗教にも影響を与えてきたとされています。
すべてを神聖と見なす哲学と誤解
タントラはすべての物事を神聖なものとして受け入れる哲学で、伝統的に不浄・不潔とされてきたもの (性的な儀式や陶酔をもたらす物質との関わりなど) も含めて、あらゆる存在を肯定するのが特徴です。
そのため一部では、単に奔放な性を説く思想だという誤解を受けることもありますが、本来は性的なエネルギーとどう向き合うかを扱う実践だとされています。
ヨガでのタントラの実践・使われ方
タントラの世界観では、あらゆる物質的な現実は、シャクティと呼ばれる神聖な女性性のエネルギーで満たされていると考えられています。
ドゥルガーやカーリーといった女神への信仰にはこの世界観がよく表れており、破壊と母性という一見相反する性質を併せ持つ姿として描かれます。
クンダリーニを目覚めさせる浄化法
個人におけるシャクティの源は、脊柱の根元に眠るクンダリーニとされ、ナディ (エネルギーの通路) とチャクラ (エネルギーの中心) のネットワークを通して全身とつながっているとされています。
クンダリーニのエネルギーを目覚めさせることは、タントラ的な実践の大きな目的の1つで、プラーナヤーマ (呼吸法)、ムドラ、マントラ、瞑想といったヨガの浄化法が用いられます。
肉体を通して解放へ至る道
他の多くの精神的な伝統が肉体を超越することで解放を目指すのに対し、タントラは肉体を通して解放に至ろうとする点に特徴があるとされています。
タントラの関連用語
- タントラ・ヨガ
- タントリカ
- イシュタ・ヨガ
- シュリー・ヴィディヤ・タントラ
- ジャイナ教
タントラに関するよくある質問
タントラとは何ですか?
A. 6世紀頃にインドで生まれた哲学と精神的実践の体系を指すサンスクリット語です。
宇宙のエネルギーを扱うことを通して解放 (モクシャ) へ至る道とされ、ヨガに取り入れた流れはタントラ・ヨガと呼ばれます。