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屍のポーズ (シャバーサナ) のやり方・効果・アライメント

屍のポーズ (シャバーサナ) のやり方・効果・アライメント | ヨガポーズ解説

ヨガポーズ解説 Aug 24, 2026

ヨガポーズ解説

シャバーサナで全然リラックスできなくても、失敗ではありません。

心が落ち着かない生徒が多いのは、「落ち着きを感じるはずだ」という期待 (教師の声かけ) のせいでもあり、感じるはずのものを追うのではなく「いま実際に何に気づいているか」を観察するのがベストです。

体を止めるのは一瞬でも、心が静まるまでには時間がかかります。

体の側でできることはあります。

肩を耳から下ろし、脚は肩幅より少し広く、そしてまぶたと奥歯のかみしめまで、意識的に力を抜くことです。

屍のポーズ (シャバーサナ) の完成形 (男性)
屍のポーズ (シャバーサナ) の完成形



屍のポーズとは

仰向けで手のひらを天井に向け、脚を肩幅より少し広めに開いてつま先を外に向け、顔の力まで含めて全身を脱力する、クラスの最後のポーズ。

タダーサナが立位のポーズの基本であるのと同様に、シャバーサナは仰臥位のポーズの基本とされ、「行うのは最も易しく、マスターするのは最も難しいアーサナ」と言われる。


屍のポーズの名前の意味

屍 (しかばね) のポーズ、という意味です。

別の言い方に、死者のポーズ (ムリターサナ。mrta は「死んだ」の意味) があります。

ヨガスタジオで1時間ほど動いた後、最後にやるおなじみのポーズです。


屍のポーズのやり方とアライメント

屍のポーズで使う筋肉の解剖図

部位動き意識すること
手・指手のひらを天井に向ける仰向けになったら、手のひらを天井に向ける
肘・上腕腕は楽な位置に置く (配置は自由)腕は体の横の楽な位置へ。腕の床につく部分には個人差があり、様々に配置してよい
肩・肩甲骨肩と耳の距離を下ろす力が入っていると肩と耳の位置が上がって緊張してしまう。肩をできるだけ下の方に下ろす
頭頸部・視線顔の力 (まぶた・奥歯) まで意識的に抜く体の力を抜いたつもりでも、まぶたや奥歯のかみしめに力が残っていることが多い。意識的にすべての力をぐっと抜く
脊柱体の後面を床に預ける全身の後ろ側をほぼ完全に床につけて、床に支えてもらう
足・かかと・指脚は肩幅より少し広く、つま先は外側へ脚は思いっきり開くのではなく、肩幅よりちょっと広いくらいに開き、つま先を外側に向けて脱力する

屍のポーズの解剖学


使われる筋膜ライン

このポーズには、意図的に伸ばす筋膜ラインも、働かせる筋膜ラインもありません。

全身をニュートラルに横たえることで、それまでの練習で使った各ラインから均等に力が抜けていく時間です。


筋肉の使い方と相反神経支配

働く筋も伸びる筋も設定されていない、唯一のポーズと言えます。

他のポーズでは、縮む筋の反対側が緩む「相反神経支配 (reciprocal inhibition=相反抑制)」を手がかりに体を導きますが、ここでは主動筋と拮抗筋の区別なく、すべての筋肉の努力を手放すことが実践そのものです。

意識だけを保ったまま脱力することで、練習で整えた神経と筋の状態が全身に静かに定着していきます。

すべての力を手放すこのポーズを、クラスの最後に必ず置きましょう。


ミスアライメントと修正

① 寝ているのに、肩や首のあたりが休まらない

屍のポーズのよくあるミスアライメントの例
屍のポーズのよくあるミスアライメントの例

肩と耳の位置が上がったまま緊張している。

修正 肩をできるだけ下の方に下ろして、肩と耳の距離を作り直す。

② 体は脱力できたのに、なんとなく力が抜けきらない

まぶたや奥歯のかみしめなど、顔の力が残っている。

修正 顔に意識を向けて、まぶた・奥歯のかみしめまで意識的にぐっと抜く。

③ リラックスするはずなのに、心がソワソワして落ち着かない

「落ち着きを感じるはず」という期待どおりに感じられないことを、失敗だと思っている。

修正 何かを感じようとせず、いま実際に何に気づいているかを観察する。教師は「感じるはずのもの」を語りかけるのではなく「実際に何に気づいているか」を問いかける形が望ましい。体を止めても心はすぐには止まらないので、心が動くこと自体は普通のこと。


軽減法・プロップの使い方

屍のポーズの軽減法の例

  • 腰痛がある人や仰向けが不快な人は、膝の下にボルスターや丸めたブランケットを置くと腰への圧力が軽くなる
  • 妊娠中はブランケット等のプロップで背中を高くする。後期は左側臥位+膝の間に枕の形へ

注意が必要な人

  • 妊娠後期は仰向けが適さない場合がある。左側を下にして横になり、膝の間に枕を挟む形で代用する。妊娠中はブランケット等で背中を高くするサポートを使う

ヨガでのシャバーサナの実践・使われ方


仰向けで体をゆだねる入り方

シャバーサナに入るには、地面に仰向けに横たわり、脚を楽に広げ、腕を体の脇に沿わせてリラックスさせ、手のひらを上に向けます。

呼吸は自然な状態に任せ、体全体がニュートラルな姿勢に落ち着き、プラーナ (生命エネルギー) が自由に流れるようにすることが大切だとされています。


練習の最後に保つ時間の目安

一般には、先に行ったポーズの効果を体に統合するために、アーサナ練習の最後にシャバーサナを取り入れます。

この場合、最低でも5分ほどは保つことが望ましいとされますが、リラックスしながらも意識をその場にとどめられる限り、より長く続けても構いません。

リストラティブ・ヨガやヨガニドラといった実践では、より長い時間シャバーサナを保つこともある一方、他のアーサナのあいだの休息として使われる場合は、1分程度にとどめることが一般的です。


ムーラダーラ・チャクラと休息の効果

体全体が地面と接することから、シャバーサナはムーラダーラ (根) チャクラを刺激すると考えられています。

このチャクラが働くことで、深く根を張るような感覚が育まれ、内的な静けさと安定性が養われるとされ、エネルギーと生産性の向上、記憶力・集中力の向上、ストレスや頭痛・疲労・不眠の緩和、血圧の低下、深いリラックスといった効果が期待されています。


難しく感じる人への調整と注意

ただし、その内省的な性質ゆえに、心が忙しく落ち着かない人にとっては、かえって難しく感じられることもあります。

腰に痛みを抱えている人や、仰向けが不快な人は、膝の下にボルスターや丸めたブランケットを置くことで、腰への負担を和らげることができます。

また、妊娠後期の女性にはシャバーサナが適さない場合があり、その際はアーサナ練習の最後に、左側を下にして横たわり、膝のあいだに枕を挟む姿勢が代替として勧められています。


シャバーサナの関連用語

  • アーサナ
  • ムーラダーラ
  • ヨガ・ニドラ
  • プラーナ

屍のポーズに関するよくある質問

寝ているのに肩や首が休まりません。

A. 肩と耳の位置が上がったまま緊張しています。肩をできるだけ下へ下ろし、肩と耳の距離を作り直してください。

それでも力が抜けきらないときは、顔に意識を向けます。まぶたと奥歯のかみしめに力が残っていることが多いので、そこまで意識的に抜きます。

リラックスするはずなのに、心がソワソワして落ち着きません。

A. 失敗ではありません。「落ち着きを感じるはずだ」という期待どおりに感じられないことを、失敗だと思っているだけです。

何かを感じようとせず、いま実際に何に気づいているかを観察してください。体を止めても、心はすぐには止まりません。