記事一覧に戻る
肩立ちのポーズ (サルヴァーンガーサナ) のやり方・効果・アライメント

肩立ちのポーズ (サルヴァーンガーサナ) のやり方・効果・アライメント | ヨガポーズ解説

ヨガポーズ解説 Aug 26, 2026

ヨガポーズ解説

唯一の安全条件は「首に圧力をかけないこと」。

支えは肩と、体に寄せた肘・手のひらで作ります。

高さは階段式でよく、まず脚を90度に上げて逆さに慣れ、行けると感じたら少しずつ押し上げます。

ももとひざをそろえて脚を1本にまとめ、普通の呼吸で10〜30秒から。

首が楽なまま保てる高さが、今日のあなたの完成形です。

肩立ちのポーズ (サルヴァーンガーサナ) の完成形 (男性)
肩立ちのポーズ (サルヴァーンガーサナ) の完成形



肩立ちのポーズとは

仰向けから手の支えで脚を90度に上げ、腰を押し上げて、最終的に頭以外の全身を床と垂直に立てる肩立ちのポーズ。

支えは肩と、体に寄せた肘・手のひらで作り、首には圧をかけない。

ももとひざ・ふくらはぎ・足をそろえて脚を1本にまとめ、普通の呼吸で最初は10〜30秒から保持する。

入りも出も横向きを経由する。

垂直まで行けない人のための中間段階 (脚90度) も含めた、難易度の階段になっているポーズ。


肩立ちのポーズの名前の意味

サルヴァは「すべて」、アンガは「体の部位」。

全身のポーズという名のとおり、体ぜんたいに働くとされる肩立ちです。


肩立ちのポーズのやり方とアライメント

部位動き意識すること
手・指手のひらで背中を支え、できるだけ体に近づける手のひらは背中にそえて、体の中心へ近づける
肘・上腕肘をできるだけ体に近づける左右の肘を寄せて、土台を狭くまとめる
肩・肩甲骨肩で立つ (ショルダースタンド)。首ではなく肩に体重を置く支えているのは肩。首はあくまで楽に
頭頸部・視線保持中の意識は眉間の中心へ長く保つときは、眉間の真ん中に意識を集める
脊柱最終形では頭から全身が90度 (床と垂直) に立つ体を上へ上へと押し上げ、全身を1本の垂直に
骨盤手のひらの支えで腰をゆっくり押し上げる手で支えながら、腰を少しずつ上へ
股関節まず脚を90度に上げた中間段階で止まり、体が逆さに慣れるのを待つ脚を90度に上げてしばらくキープ。逆さの感覚に体を慣らしてから先へ
もも・膝ももとひざをそろえる両ももと両ひざをぴったりそろえる
すね・足首ふくらはぎをそろえるふくらはぎ同士も離さない
足・かかと・指最初は足の力を抜いてよい。強度を上げるときはつま先を伸ばすまずは足先リラックス。慣れたらつま先をポイントして1本に

肩立ちのポーズの解剖学

働く筋肉
僧帽筋・三角筋後部・上腕三頭筋・脊柱起立筋・腹筋群・大腿四頭筋・内転筋群
伸びる筋肉
首の後ろの筋 (板状筋・僧帽筋上部)・肩甲挙筋

使われる筋膜ライン

肩で立ち、全身を垂直に押し上げる肩立ちでは、体の背面を走るスーパーフィシャル・バック・ライン (表層バックライン) が首の後ろで伸ばされ、その先の背中から脚では体を1本に保つために働くと考えられます。

体幹の内側を通るディープ・フロント・ライン (深層前面のライン) が、脚と骨盤を上へ引き上げる支えになります。

背中に添えた手から肩甲骨へつながるアーム・ライン (腕のライン) は、土台を狭くまとめる柱の役割です。


筋肉の使い方と相反神経支配

肩を床に押す僧帽筋や三角筋後部が土台を作り、背中を支える上腕三頭筋、脚を1本にそろえる大腿四頭筋と内転筋群が垂直の形を保ちます。

腹筋群が働いて骨盤を持ち上げるほど、相反神経支配 (reciprocal inhibition=相反抑制) によって腰を反らせる筋が緩み、体を垂直に積み上げやすくなると考えられます。

首の後ろは伸ばされる側なので、体重は首ではなく肩と肘で受け止め、首はあくまで楽に保ちましょう。


ミスアライメントと修正

① 首が苦しい・詰まる感じがする

肩ではなく首で体重を受けている。

修正 手のひらと肘を体に近づけて背中の支えを作り直し、首に圧がかからない位置まで戻る。

肩立ちのポーズのよくあるミスアライメントの例

② 垂直まで上がれない

一気に完成形を目指している。

修正 脚90度の中間段階で止まって逆さに慣れる。上がれると感じてから、少しずつ体を押し上げる。

③ 保持中に呼吸が浅くなる

形を保つことに力み、息を詰めている。

修正 絶対に普通の呼吸を続ける。意識は眉間の中心へ置き、まず10〜30秒から。


軽減法・プロップの使い方

肩立ちのポーズの軽減法の例

  • 肩立ちまで行けない段階は、脚を90度に上げて手で支える中間段階 (この角度はヴィパリータ・カラニ・アーサナと呼ばれる) を練習する

注意が必要な人

  • 頸椎 (首) に障害や既往のある方は行わない
  • 高血圧・心疾患のある方、緑内障など眼圧に不安のある方は避ける
  • 妊娠中・生理中の方は指導者に相談する
  • 首に圧力がかからないようにする (首はあくまで楽な状態を保ち、支えは肩と腕で作る)

ヨガでのサルヴァーンガーサナの実践・使われ方

しばしばアーサナの「女王」とも呼ばれるサルヴァーンガーサナは、脊椎の基部に眠るとされる根源的なエネルギー、クンダリーニを目覚めさせるとも考えられています。

また、喉のあたりに位置するヴィシュッダ (喉) チャクラを開くともされ、このチャクラは体の浄化や創造性と結びついていると言われています。


サーランバとニラーランバの違い

一般にサルヴァーンガーサナとして指導されるのは、両手で背中を支える形 (サーランバ・サルヴァーンガーサナ、支えのある肩立ち) です。

腕をマットに伸ばしたまま支えなしで行う形は、ニラーランバ・サルヴァーンガーサナと呼ばれる上級バリエーションです。


初心者が練習するときの注意

中級から上級のアーサナとされているため、初心者はヨガ教師のサポートを受けながら練習することが勧められます。


サルヴァーンガーサナの関連用語

  • アーサナ
  • クンダリーニ
  • ヴィシュッダ
  • アシュタンガ・ヨガ

肩立ちのポーズに関するよくある質問

うまくできません。どうすればいいですか?

A. 垂直まで上がれないのは、一気に完成形を目指しているからです。

脚を90度に上げて手で支える中間段階で止まり、逆さに慣れてください。

上がれると感じてから、少しずつ体を押し上げます。

首が苦しい・詰まる感じがするときは、肩ではなく首で体重を受けています。

手のひらと肘を体に近づけて背中の支えを作り直し、首に圧がかからない位置まで戻ってください。

どのくらい保てばいいですか?

A. まず10〜30秒から始めてください。

保っている間は、絶対に普通の呼吸を続けてください。

形を保つことに力んで息を詰めると、呼吸が浅くなります。

意識は眉間の中心へ置きます。