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船のポーズ (ナヴァーサナ) のやり方・効果・アライメント

船のポーズ (ナヴァーサナ) のやり方・効果・アライメント | ヨガポーズ解説

ヨガポーズ解説 Sep 06, 2026

ヨガポーズ解説

もも裏が硬いと、脚を伸ばしたまま骨盤を立てられず、後ろへ倒れて背中が丸まります。

膝を曲げた半分の船のポーズ (現代のクラスでアルダ・ナヴァーサナと呼ばれることの多い形) にすると、てこが短くなって一気に楽になり、背骨をまっすぐ保てます。

このポーズを支えている主役は腹筋ではなく股関節の付け根。

腹筋は後ろへ倒れないための支えです。


船のポーズ (ナヴァーサナ) の完成形 (男性)
船のポーズ (ナヴァーサナ) の完成形


船のポーズとは

ナヴァーサナ (船のポーズ) は、坐骨でバランスを取りながら両脚と上体を持ち上げ、体でV字を作る座位のバランスポーズです。

正式にはパリプールナ・ナヴァーサナ (完全な船のポーズ) と言います。


船のポーズの名前の意味

ナヴァーサナは、サンスクリット語の Nava (船)+Asana (ポーズ) を組み合わせた名前で、「船のポーズ」という意味です。


船のポーズのやり方とアライメント

船のポーズで使う筋肉の解剖図

部位動き意識すること
手・指前ならえの高さで伸ばし、手のひらは下両腕は前へならえの高さでまっすぐ伸ばし、手のひらは下に向ける
肘・上腕伸展ひじを伸ばして、腕を床と平行に保つ
肩・肩甲骨肩甲骨を胸郭の上で安定させ、肩関節は屈曲肩をすくめず、肩甲骨を背中に落ち着かせて腕を前へ
頭頸部・視線視線は足先へ目線は足先へ向けて固定する
脊柱中立背骨はまっすぐのまま。背中を丸めず、後ろに倒れすぎない
体幹・腹部後ろへ倒れないよう重力に抵抗するお腹に力を入れて、上体が後ろへ倒れるのを支える
骨盤坐骨と尾骨に体重を分散する坐骨と尾骨のあいだに座り、お尻の平らな骨 (仙骨) に全体重を預けない
股関節屈曲と内転 (このポーズの主役)脚の付け根を深く折り、ももと上体でV字を作る
もも・膝膝は伸展 (屈曲も可)、両脚は内転両膝を伸ばし、内ももを寄せて両脚をそろえる。難しければ膝を曲げてよい (半分の船のポーズ)
すね・足首つま先まで伸ばす (ポイント)つま先は足先までまっすぐ伸ばしきる (ポイント)
足・かかと・指両足をそろえ、腕と同じ高さに両足はそろえたまま持ち上げ、足先と腕の高さをそろえる

船のポーズの解剖学

働く筋肉
腸腰筋・大腿四頭筋・腹直筋・腹横筋・脊柱起立筋
伸びる筋肉
ハムストリング

使われる筋膜ライン

V字でバランスを取るこのポーズでは、脚の裏側から背面へつながるスーパーフィシャル・バック・ライン (表層バックライン) が伸ばされます。

前面で形を保つのは、スーパーフィシャル・フロント・ライン (表層フロントライン) と、腸腰筋を含むディープ・フロント・ライン (深層前面のライン) の張力です。


筋肉の使い方と相反神経支配

「腹筋のポーズ」に見えますが、主役は脚を持ち上げ続ける腸腰筋にほかなりません。

腹直筋・腹横筋・脊柱起立筋は、背骨を長く保つための支えとして働きます。

大腿四頭筋で膝を伸ばせば、「相反神経支配 (reciprocal inhibition=相反抑制)」によって拮抗するハムストリングが緩み、脚裏の張りがほどけやすくなるはずです。

背中が丸まりそうなときは、膝を曲げてでも脊柱の長さを優先しましょう。


ミスアライメントと修正

① 背中が丸まる・後ろに倒れそうになる

船のポーズのよくあるミスアライメントの例
船のポーズのよくあるミスアライメントの例

もも裏の短縮で、脚を伸ばしたまま骨盤を立てられず、後ろへ倒れて背中が丸まっている。

修正 膝を曲げた半分の船のポーズ (アルダ・ナヴァーサナ) にする。てこが短くなって一気に楽になり、背骨の中立を保てる。

よくあるミスアライメント: 背中が丸まる・後ろに倒れそうになる (男性)

② お尻 (仙骨のあたり) が痛い・ゴリゴリ当たる

全体重が仙骨に乗っている。

修正 坐骨と尾骨に体重を分散させ、背骨を立て直す。

③ 腹筋だけで頑張ってしまい、すぐ限界がくる

このポーズを保っているのは腹筋ではなく股関節の屈曲。腹筋は後ろに倒れないよう支える係。

修正 脚の付け根から折る意識に切り替え、お腹は「支え」に回す。

④ 呼吸が止まってしまう

体幹を固めて安定させると、呼吸が抑制されやすい。

修正 穏やかに呼吸を続ける。試しに深い腹式呼吸をしながら保持して、ポーズがどう変わるか観察する。


軽減法・プロップの使い方

船のポーズの軽減法の例

  • 膝を軽く曲げる (アルダ・ナヴァーサナ、半分の船のポーズ)
  • 腕は頭上に上げず、前ならえの高さにとどめる (上げるほど難しくなる)

注意が必要な人

  • 妊娠中の方

ヨガでのナヴァーサナの実践・使われ方


マニプーラと仙骨のチャクラを開く

多くのヨガのスタイルで基本のポーズとして取り入れられているナヴァーサナは、へそのあたりにあるマニプーラ (臍のチャクラ) チャクラを開くとされ、変容の力と結びついていると言われています。

マニプーラが活性化すると、自尊心・自信・活力・代謝が高まり、リスクを取ることや責任を引き受けることを後押ししてくれるとも考えられています。

あわせて、仙骨のあたりに位置するスヴァディシュターナ (仙骨) チャクラも開くとされ、こちらは創造性や決意、生産性との結びつきが指摘されています。


アシュタンガ初級シリーズでの位置

ナヴァーサナは、アシュタンガ・ヨガの初級シリーズを構成するポーズの1つでもあり、身体的にも精神的にも効果が期待できることから、さまざまなヨガのスタイルで広く親しまれています。


ナヴァーサナの関連用語

  • アーサナ
  • マニプーラ
  • スヴァディシュターナ
  • アシュタンガ・ヨガ

船のポーズに関するよくある質問

うまくできません。どうすればいいですか?

A. 背中が丸まって後ろに倒れそうになるのは、もも裏が短く、脚を伸ばしたまま骨盤を立てられていないからです。

膝を曲げた半分の船のポーズ (アルダ・ナヴァーサナ) にしてください。

てこが短くなって一気に楽になり、背骨の中立を保てます。

もうひとつ、腹筋だけで頑張らないでください。

このポーズを保っているのは腹筋ではなく股関節の屈曲です。

腹筋は後ろに倒れないよう支える係です。

脚の付け根から折る意識に切り替えて、お腹は「支え」に回してください。

お尻が痛くなります。どうすればいいですか?

A. 仙骨のあたりがゴリゴリ当たるのは、全体重が仙骨に乗っているからです。

坐骨と尾骨に体重を分散させ、背骨を立て直してください。

あわせて、呼吸が止まっていないか確認してください。

体幹を固めて安定させると呼吸が抑制されやすくなります。

穏やかに呼吸を続けてください。

試しに深い腹式呼吸をしながら保持して、ポーズがどう変わるかを観察してみるのもよい練習です。