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猿王のポーズ (ハヌマーンアーサナ) のやり方・効果・アライメント

猿王のポーズ (ハヌマーンアーサナ) のやり方・効果・アライメント | ヨガポーズ解説

ヨガポーズ解説 Sep 19, 2026

ヨガポーズ解説

時間はかかりますが、段階を踏めば近づけます。

このポーズはブロック必須と言ってよく、胸を張って腰の横に手 (ブロック) を置くのがコツ。

上半身が前に出ると前ももに体重が乗るだけで伸びません。

柔軟性は一度落ちても練習で戻せるので、怪我をしない範囲で少しずつ育てていきましょう。


猿王のポーズ (ハヌマーンアーサナ) の完成形 (男性)
猿王のポーズ (ハヌマーンアーサナ) の完成形


猿王のポーズとは

両脚を前後に完全に開いて座る前後開脚 (フルスプリット)。

前脚は前へ、後ろ脚は後ろへ伸ばし、前ももの裏と後ろももの前面が床に近づく。

足を前後に開脚してよく伸ばすポーズで、ブロック必須と言ってよいほどプロップの使用が前提のポーズ。


猿王のポーズ (ハヌマーンアーサナ) の名前の意味

日本語
猿王のポーズ
英語
Monkey Pose
サンスクリット語
Hanumanasana(ハヌマーンアーサナ)

単語の意味

  • Hanuman猿王ハヌマーン (別名: アンジャネーヤ)
  • Asanaポーズ

別の言い方

日本語
猿神のポーズ

猿王のポーズのやり方とアライメント

猿王のポーズで使う筋肉の解剖図

部位動き意識すること
手・指胸を張って腰の横に手 (ブロック) を置く上半身を起こし、胸を張って腰の横に手を置く。そのためにブロックを使う。指先で床やブロックをしっかり押す
肘・上腕慣れたら合掌、または両腕を頭上へブロックなしで安定する人は、手を胸の前で合掌するか、両腕を頭上に伸ばして合掌する
肩・肩甲骨腕を上げるときは肩甲骨を広げ、胸骨を持ち上げる腕を頭上に伸ばすとき、肩甲骨の上部を広げて胸骨を引き上げる
頭頸部・視線頭頂部を引き上げる。視線は鼻先頭のてっぺんを真上に持ち上げ、背骨を最大に長くする。伝統的なドリシュティ (視点) は鼻先
脊柱胸を張り、背骨を長く立てる上半身が腰より前に出ないように、胸を張って背骨を立てる
体幹・腹部下腹部を引き上げ、胴体を正面に向ける後ろ脚側のお腹を前脚側に引き寄せて、胴体をマットの正面に向ける。恥骨からおへそへ引き上げるように下腹部を使う
骨盤前の股関節を後ろへ、後ろの股関節を前へ引いて骨盤を水平に前脚側の腰を後ろに引き、後ろ脚側の腰を前に押し出して、骨盤を正面に向けたまま左右の高さをそろえる
股関節後ろ脚の内旋を保つ (外に開かせない)後ろの内ももを天井に向かって回し上げ、後ろ脚のもも・膝・つま先が床に向くようにする
もも・膝前脚は内側広筋を働かせ、膝をロックしない前の膝をほんの少しゆるめてから、内ももの膝の上あたり (内側広筋) に力が入るのを感じつつゆっくり伸ばす。膝を伸ばし切ってロックしない
すね・足首後ろ足は最初つま先を立て、安定したら甲を床に入るときは後ろ足のつま先を立てておく。内旋を保ったまま安定したら、つま先を伸ばして足の甲を床につけてよい
足・かかと・指前足はかかとを前へ押し出し、指を広げる前足のかかとをしっかり前に押し出すように脚を伸ばし、足の指を広げる。足の小指側が前に倒れ、親指側が後ろに倒れやすいので、真ん中で立てておく

猿王のポーズの解剖学

働く筋肉
大腿四頭筋・腸腰筋・大殿筋・脊柱起立筋・腹横筋
伸びる筋肉
ハムストリング・腸腰筋・大腿四頭筋・腓腹筋

使われる筋膜ライン

前後開脚では、前脚の後面でスーパーフィシャル・バック・ライン (表層バックライン) が、後ろ脚の前面でスーパーフィシャル・フロント・ライン (表層フロントライン) が同時に伸ばされます。

体の奥のディープ・フロント・ライン (深層前面のライン) は、伸ばされながら骨盤を支えるという2役を担う存在です。


筋肉の使い方と相反神経支配

大腿四頭筋・腸腰筋・大殿筋・脊柱起立筋・腹横筋が骨盤と背骨を支え、前脚のハムストリングと腓腹筋、後ろ脚の腸腰筋と大腿四頭筋が伸ばされます。

前脚のかかとを床に押して後ろへ引く等尺性収縮を数呼吸行い、ふっと緩めてから沈むのがこのポーズの定石です。

拮抗筋が緩む相反神経支配 (reciprocal inhibition=相反抑制) も踏まえ、床に「置きにいく」のではなく、支えの筋を働かせながら下りていきましょう。


ミスアライメントと修正

① 前ももばかり突っ張って、それ以上伸びていかない

猿王のポーズのよくあるミスアライメントの例
猿王のポーズのよくあるミスアライメントの例

上半身が腰よりも前に出て、体重が前ももにばかり乗っている。

修正 胸を張って、腰の横に手を置く。そのためにブロックを使う。上半身が骨盤の上に戻ると、体重が両脚に分かれて伸びが進む。

よくあるミスアライメント: 前ももばかり突っ張って、それ以上伸びていかない (男性)

② 後ろ脚が外に開いて、体が前脚の方へねじれている

床に近づきたくて後ろ脚を外旋させている。

修正 後ろ足のつま先を立てて練習し、後ろの内ももを天井へ回し上げて内旋を保つ。後ろ脚の外旋は腰椎・仙腸関節・膝にねじれの圧力を加えるとされる。

③ 深く沈めるのに、ハムストリングの付け根や膝の内側が痛い

筋肉を働かせないまま柔軟性に身を任せて沈み込んでいる。

修正 ブロックやボルスターで支え、伸ばしている筋肉も働かせながら、怪我をしないギリギリの深さで止める。床に坐骨がつくことより安定と心地よさを優先する。


軽減法・プロップの使い方

猿王のポーズの軽減法の例

  • ブロック必須と言ってよいポーズ。腰の横に置いた手の下にブロックを立て、伸びてきたら高さを低くし、最後はなしでもよい
  • 前ももの下にブロックを置いて骨盤を支える。高さが足りなければ2〜3個重ね、時間をかけて減らしていく
  • 坐骨の下にボルスターや畳んだブランケットを敷いて座る
  • 滑る床なら、前足のかかとの下にブランケットを敷いて少しずつ前に滑らせて入る (滑りすぎてコントロールを失わないよう注意)
  • 半分の猿王のポーズ (アルダ・ハヌマーンアーサナ、ランナーズストレッチ) で準備し、そこから少しずつ脚を伸ばしていく

注意が必要な人

  • 股関節に怪我がある場合は行わない
  • ハムストリングの付け根 (坐骨のまわり) を痛めやすいポーズなので、痛めた経験がある方や関節がゆるく柔らかい方は、深さを追わずに可動域の中で筋肉を働かせる練習を優先する

猿王のポーズに関するよくある質問

どんな効果がありますか?

A. 前後開脚で、前脚のハムストリングと後ろ脚の股関節屈筋群を中心に、股関節まわりを深く伸ばします。

背骨を支える脊柱起立筋と腹筋群も働き、上体を立てて保つ力を養います。

自由に呼吸できる深さで行ってください。

呼吸が苦しく荒くなるのは深すぎるサインです。

プロップを使って、呼吸のリズムを損なわない深さから少しずつ取り組みます。

うまくできません。どうすればいいですか?

A. ブロック必須と言ってよいポーズです。

腰の横に置いた手の下にブロックを立ててください。

伸びてきたら高さを低くし、最後はなしでもかまいません。

前ももの下にブロックを置いて骨盤を支える方法もあります。

高さが足りなければ2〜3個重ね、時間をかけて減らしていきます。

前ももばかり突っ張るときは、胸を張って、腰の横に手を置いてください。

上半身が骨盤の上に戻ると、体重が両脚に分かれて伸びが進みます。

後ろ脚が外に開いて体が前脚の方へねじれる方は、後ろ足のつま先を立てて練習し、後ろの内ももを天井へ回し上げて内旋を保ってください。

書籍によれば、後ろ脚の外旋は腰椎・仙腸関節・膝にねじれの圧力を加えます。

床に坐骨がつくことより、安定と心地よさを優先してください。