ブラフマン (Brahman) とは?意味・語源 | サンスクリット用語辞典
Aug 29, 2026ブラフマンとは、サンスクリット語で、最高の普遍的な原理、すなわち究極あるいは絶対的な現実を指す言葉です。
古代の経典ウパニシャッドの中心的な考え方で、ヨガの実践者がアーサナや瞑想などを通じて到達しようとする理解でもあります。
ブラフマンの語源
- brh (ブリフ)成長する・拡大する (語源)
ブラフマンの意味
ブラフマンは、ヴェーダーンタ哲学の教えを形づくる古代の経典ウパニシャッドの中心的な考え方です。
サンスクリット語では、「サティヤム・ジュニャーナム・アナンタム・ブラフマ」と定義され、「決して変わらないもの」「知識」「無限」と訳すことができます。
「成長」を意味する語源ブリフ
ブラフマンという言葉は、「成長する、あるいは拡大する」を意味するサンスクリット語の語源ブリフに由来します。
ブラフマンは、成長するものであると同時に、他のものを成長させるものでもある、という理解です。
宇宙に存在するあらゆるものの、遍く行き渡る永遠の源であり、あらゆる物・あらゆる人・あらゆる分子と原子の中に存在しているとされています。
二元論と非二元論の見方の違い
二元論を説くドヴァイタ・ヴェーダーンタのような学派は、ブラフマンは個我 (アートマン) とは異なるものだと考えますが、非二元論を説くアドヴァイタ・ヴェーダーンタのような学派は、ブラフマンとアートマンは同一であり、互いの中に含まれるものだと説いています。
ヨガでのブラフマンの実践・使われ方
ヨガの文脈では、ブラフマンは、アーサナ・プラーナヤーマ・マントラ・瞑想といったスピリチュアルな実践を通じて、実践者が到達しようとする理解を指します。
アドヴァイタ・ヴェーダーンタによれば、ブラフマンは唯一の真実の現実であり、宇宙のあらゆるものを1つに結びつけている存在です。
あらゆる経験の本質でありながら、目には見えないものとされています。
神々の姿に見える理由と縄と蛇の喩え
遍く行き渡る絶対的な存在として捉えられるとき、ブラフマンは、多くの宗教やスピリチュアルな伝統における神の概念と重なって見えるかもしれません。
しかし、ウパニシャッドでは、ブラフマンが数多くの神のような名前や姿で現れて見えるのは、私たちの無知によるものだと説かれています。
暗闇の中で丸めた縄が蛇に見えてしまうように、人間の認識や考えを重ね合わせることで、ブラフマンは神のように見えてしまうというのです。
宇宙の魂と人を隔てない教え
ブラフマンは、個我の本質であるだけでなく、地上のあらゆる命の源となる宇宙の魂をも成すとされています。
そのため、ブラフマンという考え方は、性別・人種・民族・国籍にかかわらず、人と人の間にスピリチュアルな区別はないという教えでもあるのです。
幻想マーヤーと苦しみの根本
私たちがブラフマンに気づくのを妨げる幻想が、マーヤーです。
体・心・エゴとの同一化は苦しみの根本にあると考えられており、マーヤーは、ブラフマンと1つである本当の自分を覆い隠しているとされています。
ヨガの実践で越えるマーヤー
アーサナ・プラーナヤーマ・瞑想といったヨガの実践は、実践者がマーヤーを越えてブラフマンとつながる助けになるとされ、心と感覚が内へ引き込まれていくと、やがてエゴが消え、一般にスピリチュアル・アウェイクニングと呼ばれる、世界の見方と気づき方の大きな転換が訪れると言われています。
心と感覚をコントロールする助けとなることで、ヨガは、ブラフマンについての体験的な理解を深め、普遍的なエネルギーの源とのつながりを育むことを後押しするでしょう。
なお、ブラフマンは、ヒンドゥー教の創造の神であるブラフマーや、インドのカースト制度における階級であるバラモンとは、混同しないよう注意が必要です。
ブラフマンの関連用語
- アートマン
- ウパニシャッド
- 宇宙意識
- ブラフマー
- 魂
ブラフマンに関するよくある質問
ブラフマンとは何ですか?
A. サンスクリット語で、最高の普遍的な原理・究極の現実を指す言葉です。
ウパニシャッドの中心的な考え方で、ヨガの実践者がアーサナや瞑想を通じて到達しようとする理解を指します。