アシュタヴァクラーサナ (賢者アシュタヴァクラのポーズ) のやり方・効果・アライメント | ヨガポーズ解説
Oct 13, 2026このポーズで重要なのは、筋力よりもバランスです。
組んだ両脚が腕を挟んで安定した回転軸を作ってくれるので、力づくで持ち上げる必要はありません。
足首をしっかり組んで内ももで腕を締め、両膝を伸ばし切ってから、体重をゆっくり手へ移しましょう。
脚は腕の上に乗せなくてよく、挟むだけで成立します。


アシュタヴァクラーサナとは
アシュタヴァクラーサナ (八曲がりのポーズ) は、組んだ両脚で片腕を挟み、体を横へねじりながら浮かぶアームバランスです。
名前は、体に8つの曲がりを持って生まれたと伝えられる賢者アシュタヴァクラに由来します。
アシュタヴァクラーサナの名前の意味
- 日本語
- 賢者アシュタヴァクラのポーズ
- 英語
- Sage Astavakra's Pose
- サンスクリット語
- Astavakrasana(アシュタヴァクラーサナ)
単語の意味
- Asta8
- Vakra曲がった
- Asanaポーズ
別の言い方
- 日本語
- 八曲がりのポーズ
- 英語
- Eight Angle Pose
アシュタヴァクラーサナのやり方とアライメント

| 部位 | 動き | 意識すること |
|---|---|---|
| 手・指 | 手のひら全体で床をとらえる | 指を開いて、手のひら全体で床をとらえる |
| 肘・上腕 | 伸ばそうとしながら曲げる | ひじは軽く曲げて棚を作り、伸ばそうとする力で支え続ける |
| 肩・肩甲骨 | 外転して安定させる | 背中を軽く丸めて肩甲骨を開き、肩はすくめない |
| 頭頸部・視線 | 伸展と回旋 (頭を起こす) | 頭は起こして、目線は斜め前へ |
| 脊柱 | 回旋 (やや伸展して全体に分配) | 胸を落とさず、背骨を長く保ったままねじる |
| 体幹・腹部 | 腹斜筋でねじりを保つ | お腹の力でねじりを保ち続ける |
| 股関節 | 屈曲と内転 (脚で腕を挟む) | 両脚で腕を挟み、内ももで締め続ける |
| もも・膝 | 膝は伸展 (脚を1本の梁に) | 足を組んだら、両膝を横へ伸ばし切る |
| すね・足首 | 背屈して縛る | 足首はフレックスのまま、足首同士をしっかり組んで縛る |
アシュタヴァクラーサナの解剖学
- 働く筋肉
- 上腕三頭筋・大胸筋・前鋸筋・内転筋群・大腿四頭筋・腹斜筋・中殿筋
- 伸びる筋肉
- 大腿筋膜張筋・中殿筋・大殿筋・ハムストリング
使われる筋膜ライン
体を横へたたんで浮くこのポーズでは、ラテラル・ライン (体側のライン) とスーパーフィシャル・バック・ライン (表層バックライン) が引き伸ばされます。
これに対し、ねじれを伝えるスパイラル・ライン (らせんのライン)、床を押すアーム・ライン (腕のライン)、脚を持ち上げるスーパーフィシャル・フロント・ライン (表層フロントライン) は、張力を生む働き手です。
伸びる側と働く側の対比をつかむと、複雑な見た目の中に力の流れが見えてきます。
筋肉の使い方と相反神経支配
内転筋群で腕を強く挟む力と、大腿四頭筋で両膝を伸ばす力が押し合うことで、形が骨格レベルで安定するのがこのポーズの核心です。
股関節の外側では中殿筋や大殿筋が、脚の裏側ではハムストリングが引き伸ばされます。
縮む筋の反対側が緩む「相反神経支配 (reciprocal inhibition=相反抑制)」を踏まえると、大腿四頭筋をはっきり働かせるほど裏側のハムストリングはほどけやすくなるはずです。
準備として、マリーチIIIのねじりと殿筋のストレッチを済ませておきましょう。
ミスアライメントと修正
① 脚を腕の上に高く乗せようとして乗らない

横向きのカラスのポーズ (パールシュヴァ・バカーサナ) と違い、このポーズは下側の脚を腕の上に載せる必要がない。
修正 脚は腕を「挟む」だけでよい。腕の下の位置でとどめて、内ももの締めで固定する。
② ねじり切れない・肩だけで回ってしまう
背骨を必要な角度まで回旋できないと、肩甲骨を胸郭の上でねじって代償する。
修正 座位のねじり (アルダ・マツィエンドラーサナなど) で背骨の回旋を先に育てる。

③ 力づくで持ち上げようとして続かない
このポーズで重要なのは筋力よりもバランス。脚の縛りが安定した回転軸を作ってくれる。
修正 足首の縛りと内ももの締めを先に固めてから、体重をゆっくり手へ移す。
④ 呼吸が苦しい
体を固めすぎている。このポーズは、下半身の重さが腕の支えから外れているぶん、同系のアームバランスより呼吸がしやすい。
修正 横向きのカラスのポーズと呼吸を比べてみる。横隔膜が自由に動く余地を探す。
⑤ 手首が痛い
手首の一点に体重が集中している。
修正 指を開いて手のひら全体で受け、圧を分配する。
軽減法・プロップの使い方

- ねじりの土台づくりとして、座位のねじり (アルダ・マツィエンドラーサナ) を先に練習する
- 浮かせる前に、足首の縛りと内ももの締めだけを座位で練習する
注意が必要な人
- 手首・肩に怪我がある方
アシュタヴァクラーサナのよくある質問
脚を腕の上に高く乗せようとしても乗りません。
A. 横向きのカラスのポーズ (パールシュヴァ・バカーサナ) と違い、このポーズは下側の脚を腕の上に載せる必要がありません。
脚は腕を「挟む」だけでかまいません。腕の下の位置でとどめて、内ももの締めで固定してください。
ねじり切れず、肩だけで回ってしまいます。
A. 背骨を必要な角度まで回旋できないと、肩甲骨を胸郭の上でねじって代償します。
座位のねじり (アルダ・マツィエンドラーサナなど) で、背骨の回旋を先に育ててください。
力づくで持ち上げようとしても続きません。
A. このポーズで重要なのは、筋力よりもバランスです。脚の縛りが、安定した回転軸を作ってくれます。
浮かせる前に、足首の縛りと内ももの締めだけを座位で練習してください。