アップドッグ (ウルドヴァ・ムカ・シュヴァナーサナ) のやり方・効果・アライメント | ヨガポーズ解説
Nov 06, 2026アップドッグとコブラのポーズの違いは、接地面です。
コブラは恥骨から下が全部床についたまま上半身を伸ばすポーズ、アップドッグは手のひらと足の甲の4点だけで支えて、恥骨もももも浮かせるポーズです。
アップドッグで腰が痛くなるときは、反りが腰に集中しています。
反りは胸から、お腹側を背中側に近づけたまま、脚もはたらかせて支えに参加させましょう。


アップドッグとは
ウルドヴァ・ムカ・シュヴァナーサナ (アップドッグ) は、手のひらと足の甲の4点だけで体を支えて胸を開く後屈のポーズです。
太陽礼拝ではチャトランガから吸う息で入ります。
アップドッグ (ウルドヴァ・ムカ・シュヴァナーサナ) の名前の意味
- 日本語
- 顔を上に向けた犬のポーズ
- 英語
- Upward Facing Dog Pose
- サンスクリット語
- Urdhva Mukha Svanasana(ウルドヴァ・ムカ・シュヴァナーサナ)
単語の意味
- Urdhva上向きの
- Mukha顔、口
- Svana犬
- Asanaポーズ
別の言い方
- 日本語
- 上向きの犬のポーズ
- 英語
- Up Dog
アップドッグのやり方とアライメント

| 部位 | 動き | 意識すること |
|---|---|---|
| 手・指 | 手のひら全体で床をとらえる | 指の間を開いて、手のひら全体で床をとらえる |
| 手首・前腕 | 回内 | 人差し指の付け根まで押して、前腕を内に回す |
| 肘・上腕 | 伸展 (押し込みすぎない) | ひじは伸ばすが、押し込みすぎない |
| 肩・肩甲骨 | 耳から遠ざける (押し下げて固定しない) | 肩を前から大きく回して、耳から遠ざける |
| 頭頸部・視線 | 軽い伸展 (反らせすぎない) | 目線は斜め上へ。頭は後ろに反らせすぎない |
| 脊柱 | 伸展 (胸椎を主役に) | 反りは胸から。腰と首の反りは控えめに |
| 体幹・腹部 | 軽く引き入れて腰を守る | お腹側を背中側に軽く近づけたまま反る |
| 骨盤 | 恥骨を浮かせる | 恥骨は床から浮かせたまま。お尻には軽く力を入れてよい |
| 股関節 | 伸展と内転 | 内ももを寄せ合い、脚の付け根から後ろへ長く伸ばす |
| もも・膝 | ももは浮かせ、膝は伸展 | ももは床から完全に離し、膝を伸ばして脚をはたらかせ続ける |
| すね・足首 | 底屈 (甲で押す) | 足の甲を寝かせて、甲でマットを押す |
| 足・かかと・指 | 4点支持 | 支えは手のひら2点と足の甲2点、合計4点だけ |
アップドッグの解剖学
- 働く筋肉
- 上腕三頭筋・三角筋・回旋筋腱板・僧帽筋・大胸筋・脊柱起立筋・大腿四頭筋・大殿筋・前鋸筋
- 伸びる筋肉
- 腹直筋・大胸筋・腸腰筋・ハムストリング
使われる筋膜ライン
腕で床を押して胸を高く開くと、体の前面を走るスーパーフィシャル・フロント・ライン (表層フロントライン、SFL) が足の甲から喉まで一直線に伸びます。
これを支えるのは、背面のスーパーフィシャル・バック・ライン (表層バックライン、SBL) と、床を押す腕から体幹へ続くアーム・ライン (腕のライン) の働きです。
筋肉の使い方と相反神経支配
上腕三頭筋が肘を伸ばし、前鋸筋と回旋筋腱板が肩を安定させ、脊柱起立筋・大殿筋・大腿四頭筋が反りの土台を作ります。
肘を伸ばす力は膝の伸展まで連動し、腿を床から浮かせる支えになるのが特徴です。
後面の筋が強く働くと、相反神経支配 (reciprocal inhibition=相反抑制) によって腹直筋や腸腰筋が緩み、前面の伸びが深まります。
肩を外旋させて肩甲骨を下げ、胸を前へ開くように床を押し続けましょう。
ミスアライメントと修正
① コブラのポーズと区別がつかない・ももが床についたまま

接地面の違いが曖昧になっている。コブラは恥骨から下が全部床につき、アップドッグは手のひらと足の甲の4点だけ。
修正 恥骨とももを床から離し、4点だけで支え直す。持ち上がらなければコブラのままでよい。

② 腰が痛い
反りが腰に集中している。
修正 反りを胸へ移し、お腹側を背中側に近づけたまま行う。脚をはたらかせて (もも浮かせ・膝伸ばし) 支えに参加させる。
③ 肩がすくんで首が詰まる
肩と耳が近づいたまま腕で押している。
修正 肩を前から大きく回して耳から遠ざける。ただし肩甲骨を背中に押し下げて固定しない (胸の反りが止まる)。
④ 手首が痛い
体重が手首の付け根に集中している。
修正 指の間を開き、手のひら全体で床をとらえて圧を分配する。
⑤ 首を反らせすぎてしまう
頭をできるだけ後ろに反らせる古い指導法のくせが残っている。
修正 目線は斜め上まで。首は背骨のカーブの続きとして、首の前側の支えを残す。
軽減法・プロップの使い方

- きつければコブラのポーズ (恥骨から下を床につけたまま) で行う
- さらに軽くするなら、前腕を床につけたスフィンクスのポーズ
- 膝をついてから胸を沈める入り方でもよい (チャトランガがつらいとき)
注意が必要な人
- 妊娠中の方 (お腹が圧迫されます)
- 手首・足首・肩・股関節・背骨に怪我がある方、手術を最近受けた方 (手根管に圧がかかります)
- 呼吸と動きが合っていないと体を痛めることがあります
アップドッグのよくある質問
腰が痛くなります。なぜですか?
A. 反りが腰に集中しているからです。
反りを胸へ移し、お腹側を背中側に近づけたまま行ってください。
あわせて、脚をはたらかせて支えに参加させます。
ももを床から浮かせ、膝を伸ばしてください。
脚が休んでいると、支える仕事が腰に回ります。
うまくできません。どうすればいいですか?
A. コブラのポーズと区別がつかない、ももが床についたまま——接地面が違います。
コブラは恥骨から下が全部床につきます。
アップドッグは手のひらと足の甲の4点だけです。
恥骨とももを床から離し、4点だけで支え直してください。
持ち上がらなければ、コブラのままでかまいません。
さらに軽くするなら、前腕を床につけたスフィンクスのポーズにします。
チャトランガからの入り方がつらいときは、膝をついてから胸を沈める入り方でもかまいません。
肩や首がつらくなります。どうすればいいですか?
A. 肩と耳が近づいたまま腕で押している状態です。
肩を前から大きく回して耳から遠ざけてください。
ただし、肩甲骨を背中に押し下げて固定しないでください。
胸の反りが止まります。
首については、目線は斜め上までにしてください。
頭をできるだけ後ろに反らせるのは古い指導法です。
首は背骨のカーブの続きとして、首の前側の支えを残します。
手首が痛いときは、体重が手首の付け根に集中しています。
指の間を開き、手のひら全体で床をとらえて圧を分配してください。