背中を伸ばすポーズ (パスチモッターナーサナ) のやり方・効果・アライメント | ヨガポーズ解説
Sep 21, 2026名前は「背中を伸ばすポーズ」ですが、初期はもも裏を伸ばすポーズと考えましょう。
もも裏が硬いままでは背中まで届きません。
ひじを横に開いて引き、おへそを足に近づけるつもりで倒れ、膝は曲げてかまいません。
座った時点で丸まるなら、毛布やブロックで座面を高くすると、重力が前屈を助けてくれるようになります。


背中を伸ばすポーズとは
パスチモッターナーサナ (背中を伸ばすポーズ) は、長座から上体を前に倒し、足の裏から頭まで体の後ろ側全体を伸ばす、座位前屈の代表的なポーズです。
パスチモには「西」の意味もあり、太陽 (東) に向かう太陽礼拝で背中側が西にあたることから、西側を強く伸ばすポーズとも言われます。
背中を伸ばすポーズ (パスチモッターナーサナ) の名前の意味
- 日本語
- 背中を伸ばすポーズ
- 英語
- Back Stretched Pose
- サンスクリット語
- Paschimottanasana(パスチモッターナーサナ)
単語の意味
- Paschima背中、西
- Uttana伸ばした、広げた、仰向けの
- Asanaポーズ
別の言い方
- 日本語
- 座位の前屈のポーズ
- 英語
- Seated Forward Bend Pose
背中を伸ばすポーズのやり方とアライメント

| 部位 | 動き | 意識すること |
|---|---|---|
| 手・指 | チョキで親指をつかむ (持ち方は複数あり) | 人差し指と中指のチョキの形で、足の親指をつかむ。上から足裏にかぶせる・足裏で両手をつなぐなど、持ち方は自分に合うものでよい。届かなければベルト |
| 肘・上腕 | 横に開いて引く | ひじは閉じずに、横へ開いて引く |
| 肩・肩甲骨 | 腕の力を抜き、肩甲骨で引く | 腕の力を抜いて、肩甲骨で引くイメージ (筋トレのベンチプルと同じ) |
| 頭頸部・視線 | 最後に脱力する | 形が決まったら、首の力を抜く |
| 脊柱 | 軽い屈曲 (丸まりを全体に分配) | 吸って背骨をまっすぐ、吐いて胸とみぞおちを前へ。「頭を足に」ではなく「おへそを足に」近づけるつもりで |
| 体幹・腹部 | お腹と太ももの接触を保つ | お腹と太ももをつけたまま倒れる。離れ始めたら、それ以上進まずに戻る |
| 骨盤 | 仙腸関節はうなずき、骨盤から前へ | 骨盤から前に倒す。座った時点で背中が丸まるなら、たたんだ毛布やブロックで座面を高くする |
| 股関節 | 屈曲と内転 (内旋も外旋もしない) | 両脚は平行のまま、股関節から折りたたむ |
| もも・膝 | 膝は伸展 (屈曲も可) | 膝は伸ばすが、硬ければ曲げたままでよい。お腹と太ももをつけたまま、かかとを少しずつ前へ出して伸ばしていく |
| すね・足首 | 背屈 (フレックス) | 足首はフレックスのまま、つま先を天井へ向けておく |
| 足・かかと・指 | 両足は拳1個分開けてよい | 両足は軽く拳1個分ほど開けてよい。そろえて閉じると強度が上がる |
背中を伸ばすポーズの解剖学
- 働く筋肉
- 大腿四頭筋・腸腰筋・上腕二頭筋・腹直筋
- 伸びる筋肉
- ハムストリング・腓腹筋・脊柱起立筋・大殿筋
使われる筋膜ライン
座って体を前へ折るこのポーズは、足裏からももの裏、背骨に沿って続くスーパーフィシャル・バック・ライン (表層バックライン) を全長で伸ばす代表格です。
前面ではスーパーフィシャル・フロント・ライン (表層フロントライン) とディープ・フロント・ライン (深層前面のライン) が、前屈を引き込む力として働きます。
筋肉の使い方と相反神経支配
大腿四頭筋・腸腰筋・上腕二頭筋・腹直筋という前面の筋を自ら収縮させて深める、能動的なストレッチの代表です。
伸ばされるのはハムストリング・腓腹筋・脊柱起立筋・大殿筋の後面グループで、足裏を手前に反らせば腓腹筋まで伸びがつながります。
前面が働くほど後面が緩む相反神経支配 (reciprocal inhibition=相反抑制) そのものを体験できるポーズなので、腕の力で引き込む前に、まず脚の前側を目覚めさせてください。
ミスアライメントと修正
① 背中ばかり丸まって、もも裏が伸びている感じがしない

ひじを閉じて引いている、または頭から足につけにいっている。丸めた前屈は本人には深く見えるが、もも裏は伸びていない。
修正 ひじを横に開いて引き、おへそを足に近づけるつもりで倒れる。膝を曲げてお腹と太ももをつけ直す。
② 座った時点で倒れられない・脚の付け根がつまる
もも裏の短縮で胴体の重さが脚の後ろに残り、重力が前屈を助けてくれない。無理に股関節屈筋と腹筋で引っ張ると付け根がうっ血する。
修正 たたんだ毛布やブロックで座面を高くして、上半身が重力で前へ引かれる位置に置く。膝を曲げる。
③ 手が足に届かない
手が届くかどうかは柔軟性の現在地で、届かせること自体は目的ではない。
修正 すね・足首を持つか、足裏にベルトをかける。背骨の長さを優先する。
④ 膝裏やもも裏の付け根に鋭い伸びを感じる
関節の近くや筋肉の付着部で感じる伸びは、組織がストレスを受けているサインとされる。
修正 前屈を浅くするか膝を曲げて、伸びの感覚が筋肉の真ん中にくる深さで保つ。
⑤ 引っ張っているのに深まらない
腕の力だけで強く引いていて、背骨が丸まったまま進んでいる。
修正 腕の力を抜いて肩甲骨で引く。吸って背骨を伸ばし、吐いて深める、を繰り返す。動的バージョン (ガティヤートマク) を先に10回行うと、お腹が使えて深まりやすくなる。

軽減法・プロップの使い方

- 膝を曲げる (お腹と太ももはつけたまま)
- たたんだ毛布・ブロックで座面を高くする
- 足裏にベルトをかける
- 動的バージョン (ガティヤートマク・パスチモッターナーサナ) を先に行って、お腹を使えるようにしてから入る
注意が必要な人
- 椎間板に問題のある方 (丸めた背中での前屈は椎間板の後方への圧が高まる)
- 骨粗鬆症の方 (強い前屈は避ける)
背中を伸ばすポーズに関するよくある質問
背中ばかり丸まって、もも裏が伸びている感じがしません。
A. ひじを閉じて引いているか、頭から足につけにいっています。丸めた前屈は本人には深く見えますが、もも裏は伸びていません。
ひじを横に開いて引き、おへそを足に近づけるつもりで倒れてください。膝を曲げて、お腹と太ももをつけ直します。
座った時点で倒れられません。脚の付け根がつまります。
A. もも裏の短縮で胴体の重さが脚の後ろに残り、重力が前屈を助けてくれない状態です。無理に股関節屈筋と腹筋で引っ張ると、付け根がうっ血します。
たたんだ毛布やブロックで座面を高くして、上半身が重力で前へ引かれる位置に置いてください。膝は曲げます。
手が足に届きません。
A. 手が届くかどうかは柔軟性の現在地で、届かせること自体は目的ではありません。
すねや足首を持つか、足裏にベルトをかけてください。背骨の長さを優先します。