サソリのポーズ (ヴリシュチカーサナ) のやり方・効果・アライメント | ヨガポーズ解説
Sep 23, 2026準備はピンチャ・マユーラーサナ (前腕立ち) です。
そこから左右の肩甲骨を背中で寄せて胸を沈めると、胸の背骨が反れるようになります。
一番の鍵は頭の持ち上げ。
頭を上げるとバランスの軸が仙骨の近くへ移り、上げないと脚の重さで後ろへ倒れます。
もも裏がつりやすいのはこのポーズでよく知られた現象なので、足を頭に近づけすぎず、ピンチャへ戻れる範囲で出入りを練習しましょう。


サソリのポーズとは
ヴリシュチカーサナ (サソリのポーズ) は、前腕立ち (ピンチャ・マユーラーサナ) から深く後屈し、曲げた膝の足先を頭へ近づける上級の逆転後屈です。
反った体と垂れた足先が、サソリの尾の形になります。
サソリのポーズ (ヴリシュチカーサナ) の名前の意味
- 日本語
- サソリのポーズ
- 英語
- Scorpion Pose
- サンスクリット語
- Vrschikasana(ヴリシュチカーサナ)
単語の意味
- Vrschikaサソリ
- Asanaポーズ
別の言い方
- 日本語
- 恐ろしい顔のポーズ
- 英語
- Formidable Face Pose
サソリのポーズのやり方とアライメント

| 部位 | 動き | 意識すること |
|---|---|---|
| 手・指 | 前腕を敷き、手のひらで床をとらえる | 前腕を床に敷き、指を開いて手のひらで床をとらえる |
| 手首・前腕 | 回内して床を押す | 前腕は平行のまま、内に回して (回内) 床を押し続ける |
| 肘・上腕 | 屈曲 (折れないよう押し続ける) | ひじで床を押し続けて、顔が床へ沈まない高さを保つ |
| 肩・肩甲骨 | 上方回旋・挙上・内転 (背中で寄せる) | 左右の肩甲骨を背中で寄せながら、胸を床の方へ沈める |
| 頭頸部・視線 | 持ち上げる (このポーズの要) | 頭をしっかり持ち上げて、目線は床の前方へ |
| 脊柱 | 伸展を最大に (沈みは止める) | 胸の背骨から反りを深める。反りの底が抜けないよう、お腹の支えは残す |
| 体幹・腹部 | 伸びながら支える | お腹の力は最後まで抜かない |
| 骨盤 | バランスの回転軸になる | 揺れたら、仙骨のあたりを軸に釣り合いを取り直す |
| 股関節 | 伸展・内転・内旋 | 両ももをそろえて (内転)、脚の付け根から反りに参加させる |
| もも・膝 | 屈曲 (つりに注意) | 膝は曲げて足先を頭のほうへ。もも裏がつりそうになったら、足を頭に近づけすぎない |
| すね・足首 | 底屈 | 足首は伸ばして (ポイント)、足先を頭のほうへ垂らす |
サソリのポーズの解剖学
- 働く筋肉
- 菱形筋・回旋筋腱板・僧帽筋・三角筋・前鋸筋・脊柱起立筋・大殿筋・ハムストリング・上腕三頭筋
- 伸びる筋肉
- 腹直筋・大胸筋・腸腰筋・大腿四頭筋・広背筋
使われる筋膜ライン
前腕で立って深く反るサソリのポーズでは、体の前面のスーパーフィシャル・フロント・ライン (表層フロントライン、SFL) と、深部のディープ・フロント・ライン (深層前面のライン、DFL) が大きく伸びます。
逆転の土台を支えるのは、床を押す腕から体幹へ続くアーム・ライン (腕のライン) と、反りを作る背面のスーパーフィシャル・バック・ライン (表層バックライン、SBL) です。
筋肉の使い方と相反神経支配
肩では菱形筋と回旋筋腱板が深層から関節を安定させ、その上で僧帽筋・三角筋・前鋸筋が土台を支え、脊柱起立筋と大殿筋・ハムストリングが反りを作ります。
背面が強く働くほど、相反神経支配 (reciprocal inhibition=相反抑制) によって腹直筋や腸腰筋、大腿四頭筋が緩み、深い後屈を受け入れやすくなる関係です。
逆転・後屈・アームバランスの複合ポーズのため、要素を分解して個別に練習してから組み合わせましょう。
ミスアライメントと修正
① 後ろへ倒れてしまう

頭が下がったままで、脚の重さに持っていかれている。
修正 頭をしっかり持ち上げ、目線を床の前方へ。頭の持ち上げがバランスの軸を仙骨側へ移す鍵。
② 胸が反れず、サソリの形にならない
左右の肩甲骨が背中で寄っておらず、胸の背骨の可動性が出ていない。
修正 肩甲骨同士を近づけて、胸郭を床の方へ沈める。すると胸椎の可動域が増えて頭も上がる。
③ もも裏や脚がつる
膝の屈曲と股関節の伸展を同時に行うと、もも裏が最短の長さではたらいて、けいれんが起きやすい。
修正 足を頭に近づけすぎない。つりそうになったら一度ピンチャ (前腕立ち) の中立へ戻る。
④ 顔が床に落ちそうになる
肘が折れてきている。
修正 前腕とひじで床を押し続ける。押す余力がなくなったら降りる。

⑤ ポーズの出入りでぐらつく
大きく動いて入ろうとしている。
修正 ピンチャ・マユーラーサナとの行き来を、小さな可動域で制御しながら練習する。中立に戻れることに焦点を当てる。
軽減法・プロップの使い方

- ピンチャ・マユーラーサナ (前腕立ち) を先に安定させる (このポーズの準備とされる)
- ポーズへの出入りを、小さな可動域で制御する練習から始める
注意が必要な人
- 高血圧の方 (頭が心臓より下になる逆転は血圧が上がる)
- 緑内障・網膜剥離のある方 (逆転全般は眼圧が上がる)
サソリのポーズに関するよくある質問
後ろへ倒れてしまいます。
A. 頭が下がったままで、脚の重さに持っていかれています。
頭をしっかり持ち上げ、目線を床の前方へ向けてください。頭の持ち上げが、バランスの軸を仙骨側へ移す鍵です。
胸が反れず、サソリの形になりません。
A. 左右の肩甲骨が背中で寄っておらず、胸の背骨の可動性が出ていません。
肩甲骨同士を近づけて、胸郭を床の方へ沈めてください。胸椎の可動域が増えて、頭も上がりやすくなります。
もも裏や脚がつります。
A. 膝の屈曲と股関節の伸展を同時に行うと、もも裏が最短の長さではたらいて、けいれんが起きやすくなります。
足を頭に近づけすぎないでください。つりそうになったら、一度ピンチャ (前腕立ち) の中立へ戻ります。
そもそもピンチャ・マユーラーサナを先に安定させることが、このポーズの準備とされています。