スプタ・ヴァジュラーサナ (仰向けの金剛座のポーズ) のやり方・効果・アライメント | ヨガポーズ解説
Sep 22, 2026仰向けの金剛座で腰や膝が痛くなるのは、「床に背中をつけること」を目標にしてしまうからです。
このポーズの核心はここにあります。どうにか体を床につけても、ももの付け根 (股関節屈筋群) が伸びていなければ、力は腰や膝に向かいます。
だから床ではなく「股関節の伸びが最大になる深さ」に焦点を当てて、ブロックで支えてかまいません。
痛い方は、ブロックを背中の後ろに1〜2個置いてその上に寝るやり方から始められます。
座り方のコツは、親指をくっつけず、かかとをお尻の横に。
ふくらはぎを少し外に開くと座りやすくなります。


スプタ・ヴァジュラーサナとは
金剛座 (正座) から上体を仰向けに倒し、体の前側 (ももの前〜お腹) を細く長く伸ばすポーズ。
ただし普通の金剛座と違って親指同士はくっつけず、かかとをお尻の横に軽く出して座る。
痛い方はブロック1〜2個を背中の後ろに置いてその上に寝てよい。
一般にスプタ・ヴィラーサナ (仰向けの英雄のポーズ) と呼ばれる形に近く (ビハール派のスプタ・ヴァジュラーサナは、正座のまま頭頂を床につける別の型を指す)、「床につくことより股関節の伸展を最大にすることに焦点を当てる」のが安全のカギ。
スプタ・ヴァジュラーサナの名前の意味
- 日本語
- 仰向けの金剛座のポーズ
- 英語
- Reclined Thunderbolt Pose
- サンスクリット語
- Supta Vajrasana(スプタ・ヴァジュラーサナ)
単語の意味
- Supta眠った、横たわった、仰向けの
- Vajra金剛石 (ダイヤモンド)、金剛杵
- Asanaポーズ
別の言い方
- 日本語
- 仰向けの金剛座
スプタ・ヴァジュラーサナのやり方とアライメント

| 部位 | 動き | 意識すること |
|---|---|---|
| 肘・上腕 | 最初は両手をお尻の横に。慣れたら両腕を頭上へ | 寝たら最初は両手をお尻の横に置いたままでよい。慣れてきたら両腕を頭上へ伸ばす |
| 脊柱 | 腰を反らせて代償しない | 後ろに寝ていくとき、腰の反りで深さを稼がない。股関節の伸展の代わりに脊柱の伸展 (後屈) が起きてしまうことがある |
| 体幹・腹部 | 体の前側を細く長く伸ばす | 寝られたら、体の前側を細く長く伸ばしていく |
| 股関節 | 床につくことより、股関節の伸展を最大にする | 背中を床につけることを目標にせず、股関節の前側の伸びが最大になる深さでポーズを支える |
| もも・膝 | 両膝はつけた状態に保つ | 寝ていく間も、左右の膝が開かないようにつけた状態を保つ |
| すね・足首 | やりづらければ、ふくらはぎを少し外に開く | 座りづらいときは、ふくらはぎの肉を若干外側に開いてから座ると、下に降りていきやすい |
| 足・かかと・指 | 親指同士はくっつけない。かかとはお尻の横に軽く | 普通の金剛座は親指と親指をくっつけるが、仰向けの場合はくっつけない。かかとがお尻の横に軽く来るように座る |
スプタ・ヴァジュラーサナの解剖学
- 働く筋肉
- 脊柱起立筋・大殿筋
- 伸びる筋肉
- 大腿四頭筋・腸腰筋・腹直筋・前脛骨筋
使われる筋膜ライン
正座のまま仰向けに倒れるこのポーズは、すねから太もも、腹部へと連なるスーパーフィシャル・フロント・ライン (表層フロントライン) を全面的に伸ばす形です。
股関節の奥では、腸腰筋を含むディープ・フロント・ライン (深層前面のライン) にも強い伸びが届くと考えられます。
背面ではスーパーフィシャル・バック・ライン (表層バックライン) が働き、反りすぎない範囲で上体を支えるのが役割です。
筋肉の使い方と相反神経支配
伸びる筋の代表は大腿四頭筋と腸腰筋、働く筋の代表は脊柱起立筋と大殿筋です。
お尻の大殿筋を軽く働かせると、「相反神経支配 (reciprocal inhibition=相反抑制)」の関係にある腸腰筋が緩み、腰の反りすぎも抑えやすくなると考えられます。
膝が浮く場合や腰が強く反る場合は、背中にボルスターを入れて角度を浅くしてください。
膝に不安がある場合は、このポーズは行わない選択が賢明です。
ミスアライメントと修正
① そもそも痛くて後ろに倒れられない

支えなしで床まで寝ようとしている。
修正 ブロックを背中の後ろに置いて、その上に仰向けになる。1個でつらければ2個使ってよい。背中がつけられたら両腕を頭上へ伸ばす。
② 床に背中はついたのに、腰や膝が痛い
股関節の前側 (股関節屈筋群) が伸びないまま、床につくことを優先している。
修正 床を目標にするのをやめ、ブロックで高さを支えて、股関節の伸びが最大になる深さで保つ。力が全身に分散され、腰や膝への負担が抜ける。
③ 深くなった気がするのに、腰だけが強く反っている
股関節の伸展の代わりに、腰の反り (脊柱の後屈) で深さを代償している。
修正 ブロックで高さを上げて、体の前側を細く長く伸ばす意識に切り替える。日常的に椅子に座る方は股関節の伸展が制限されやすく、この代償が起きやすいとされる。

軽減法・プロップの使い方

- 痛くて倒れられない方は、ブロック1〜2個を背中の後ろに置いてその上に寝る
- 最初は両手をお尻の横に。慣れてきたら両腕を頭上へ伸ばして体の前側を伸ばす
- 座りづらい方は、ふくらはぎを少し外に開いてから座る
注意が必要な人
- 腰痛のある方は慎重に行う。このポーズで坐骨神経痛や腰痛が軽くなる方もいれば、悪化する方もいるとされる。痛みが出たら深さを戻し、ブロックの支えに切り替える
スプタ・ヴァジュラーサナのよくある質問
そもそも痛くて後ろに倒れられません。
A. 支えなしで床まで寝ようとしています。
ブロックを背中の後ろに置いて、その上に仰向けになってください。1個でつらければ2個使ってかまいません。
背中がつけられたら、両腕を頭上へ伸ばします。座りづらい方は、ふくらはぎを少し外に開いてから座ってください。
床に背中はついたのに、腰や膝が痛みます。
A. 股関節の前側 (股関節屈筋群) が伸びないまま、床につくことを優先しています。
床を目標にするのをやめ、ブロックで高さを支えて、股関節の伸びが最大になる深さで保ってください。力が全身に分散され、腰や膝への負担が抜けます。
深くなった気がするのに、腰だけが強く反ります。
A. 股関節の伸展の代わりに、腰の反りで深さを代償しています。
ブロックで高さを上げて、体の前側を細く長く伸ばす意識に切り替えてください。
日常的に椅子に座る方は股関節の伸展が制限されやすく、この代償が起こりやすいとされています。